柳じじい バック郷とホビット庄の左手にある古森を冒険した者なら誰しも、その見かけを超える暗い森の恐ろしさを知っているだろう。語り継がれてきたそのヒソヒソ、ゴソゴソとする木々は、旅行く者の道を遮り、そして、多くの冒険者は変化を見せるその道を永遠と歩き続けることとなる。こういった暗い伝説の中でおそらく最も邪悪な存在として語り継がれているのは、森そのものの暗さを心に宿した、ある古い柳と言えるだろう。柳じじいは、その巨大な幹と大きく広がる爪のような枝の姿で枝垂川のほとりに立ち、気が緩んだ冒険者を待ち構えている。偉大な力を持つ生き物であり、川の曲がりくねった谷沿いに位置するのどかな風景の中、巧みに敵を心地良い眠気に陥れることができる。旅の者は、彼のそんな巧妙な手口に用心するべし。さもなければ、あっという間に、その邪悪な森の居住民のねじれた根や亀裂に飲み込まれることとなる。 柳じじいは、「指輪物語」のファンにとってなじみ深いキャラクターである。プレイヤーが立ち寄ってみたい人気の場所である一方、物語を良く知る者なら柳じじいに近づく際には細心の注意が必要であることが分かるだろう。トム・ボンバディルの家の近くにあり、また、古森と謎めいた塚山丘陵のはずれに位置する柳じじいは、プレイヤーが最初に遭遇することになる中つ国古来の偉大な力の一つである。この無愛想な木には確かに暗い心が宿っている。谷に侵入してくる者を容赦なく飲み込み、自らの森を守ろうとする。他の古の象徴と共に、その失意の時代から古森が消えつつある中、彼の行為は、古くからの生き方を純粋に守ろうとする姿として捉えることができるだろう。プレイヤーは枝垂川沿いを旅する際は十分に用心すべきであろう。不用心なフロドとその指輪の仲間を救ったときのように、必ずしも最古の存在トム・ボンバディルが手を差し伸べてくれるとは限らないからだ。
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